2026-03-19

小平市議会 3月定例会 岩本誠一般質問(完成版)

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2026年3月定例会 一般質問の答弁も含めてサマリーを作成しました。

人口減少と社会保障費の増大に直面する中、小平市は「従来の新枠組みに囚われない自主財源の確保」と「シティプロモーションの強化」、そして「デジタルデバイド解消に向けた高齢者支援」を喫緊の課題として掲げている。

財源確保策としては、企業版ふるさと納税の導入検討、ネーミングライツの活用、さらには約540箇所に及ぶゴミ集積所跡地などの未利用私有地の売却・利活用が具体策として議論された。特にゴミ集積所跡地の全売却による潜在的な収益は約1億5,000万円と試算されている。

一方、高齢者のデジタル支援では、東京都の補助事業との連携や、地域包括支援センターを軸とした日常的な相談体制の構築が焦点となった。「誰一人取り残さない」地域づくりのため、民間事業者や大学、ボランティアとの共同による多重的なサポート体系の整備が求められている。

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1. 自主財源の確保に向けた新たな仕組みづくり

市は、限られた財源を最大限に活用するため、以下の多角的な施策の検討および実施を表明している。

1.1 企業版ふるさと納税の導入と課題

企業版ふるさと納税は、地方創生プロジェクトに対する企業の寄付を税制面で優遇する制度である。

  • 現状と見解: 現在、具体的な検討段階にはないが、地方創生プロジェクトとして推進できれば財源確保に繋がるとの認識を示している。
  • 近隣自治体の事例:
    • 東村山市: プロジェクトチームを立ち上げ、年間3社程度(10万〜100万円規模)の寄付を獲得。
    • 八王子市: 令和7年度実績で19件の寄付(10万円〜非公開まで多様)を確保。
  • 小平市の特有の課題: 本市は普通交付税の「交付・不交付」のボーダーライン上にあり、不交付団体となった翌年度は制度の対象外となるため、制度活用の安定性に懸念がある。

1.2 ネーミングライツ(施設命名権)の導入検討

公共施設の名称に企業名等を冠する権利を売却し、維持管理費を確保する取り組み。

  • 対象候補: 小川パレット(新施設)、中央公園、ルネ小平の各ホール、駐輪場などを提案。
  • 市の判断基準: 安定的な収入確保、導入経費に見合うメリット、施設の性格、住民の愛着などを総合的に勘案する必要がある。現時点で具体的な導入施設は決定していないが、引き続き歳入確保策として検討を継続する。

1.3 公共施設・余剰スペースの収益化

  • 行政財産の貸付け: 従来、駐車場等に限定していた貸付範囲を昨年4月に拡大。小川パレットでのカフェスペース貸付けなどが予定されている。
  • 庁舎前ATMコーナーの現状: ゆうちょ銀行撤退後、後継のATM設置やミニコンビニ、福祉製品販売所としての活用を検討したが、採算性や建物年数(築30年超)の課題により、現時点では未定。

1.4 未利用私有地(ゴミ集積所跡地等)の売却と利活用

市内に点在する未利用地の処分を加速させる方針である。

  • 収益見込み: 過去5年間の平均売却価格(約30.9万円/箇所)に基づき、未活用地488箇所すべてを売却した場合、約1億5,000万円の収益が見込まれる。
  • 販売促進策: 隣接土地所有者へのポスティングに加え、現地への2次元コード(問い合わせフォーム)設置や、サイクルポート等の具体的な活用事例の提示を提案した。

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2. 戦略的シティプロモーションの展開

市の魅力を高め、交流人口や定住人口の増加を図るための包括的な戦略が示された。

2.1 観光資源の磨き上げとブランド化

  • 鈴木遺跡: 日本の後期旧石器時代を象徴する国指定史跡として、一般公開を見据えた情報発信と観光資源化を検討。
  • 特産品支援: 「こだいら新鮮野菜」のブランド化や、ブルーベリー、梨などの農産物加工推進活動への補助を継続。
  • 地域研修: 教職員に対し、小平うどん作りや鈴木遺跡の講話を通じた地域理解研修を実施し、教材開発や愛着形成に繋げる。

2.2 メディア露出とデジタル活用

  • フィルムコミッションの現状: 施設ごとの運用条件の差異や職員確保の難しさから、統一的な「フィルムコミッション」としての体制構築は困難と判断。現在は「メディア露出機会の拡大」に名称変更し、プレスリリース等を活用している。
  • デジタル戦略: 令和7年度より、SNS活用を強化するため外部の専門人材を任用予定。子育て世代等への効果的な発信を目指す。

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3. 高齢者向けスマートフォンサポートの強化

デジタル化が進む社会において、高齢者が取り残されないための支援体制を構築する。

3.1 東京都事業との連携

東京都が実施する「デジタル不慣れな高齢者等へのスマートフォン購入補助事業」について、他自治体の動向(事業者との調整、申請手続きの課題等)を注視しつつ、活用を研究する。

3.2 多重的な相談・支援体制

  • 地域包括支援センター: 「高齢者安心窓口」として、日常的な相談の中でスマートフォンの活用を案内する体制を維持。
  • 公民館・地域センター: 定期講座の実施に加え、市民活動団体やボランティア、大学との連携による個別ニーズへの対応を検討。
  • 多世代交流型の取り組み: 他市の事例(高専生と学ぶスマホイベント等)を参考に、学校関係と連携したイベントの可能性も示唆した。

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4. 結論と提言

  1. 攻めの財源確保: 企業版ふるさと納税やネーミングライツなど、単なる「待ち」の姿勢ではなく、市側からプロジェクトを磨き上げ、企業へ提案するセールス活動が不可欠である。
  2. 資産の徹底活用: 1億5,000万円の潜在価値を持つゴミ集積所跡地や、稼働していない公共スペースの機械損失を防ぎ、速やかな収益化・有効活用を図ること。
  3. デジタル包摂社会の実現: 高齢者支援を単なる「操作教室」に留めず、地域コミュニティや民間活力を取り込んだ「日常的に相談できるネットワーク」として定着させること。

「持続可能な行政運営を実現するためには、従来の新枠組みに囚われない新たな財源確保策や、市の魅力、ブランド力を高める戦略的な一手が不可欠である。」

 

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